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5年前、あるイベントに参加した時のこと。お客さんから”あの陶芸家さん、昔とても素敵な陶器のボタン作っていたのよ”って、2軒隣の作家さんのウワサを聞いた。青磁だったり、ゴスだったり鉄釉だったり、シンプルでどこか骨董にも見える素敵な器だった。この方のボタンならたぶん和製ルーシーリーみたいに素敵ボタンに違いない、いつか使ってみたい・・・恥ずかしくない服を作らないとれないとな・・・。ふとしたきっかけで、妙にジワジワ熱くなる目標が出来てしまった。

それから私は縫製の教室へ2年通い、コートまで仕立てられるようになった。更にパターンの教室へも1年通い、基礎を学んだ。最近やっと”よしっ”と小声で言える作品が少しは出来るようになってきた。まだまだだけど・・・

今年になって一大決心をして、あの時の陶芸家さんへ連絡してみた。すると今もボタンは作っていらっしゃらないとのこと。残念・・・諦めきれず無理言って、事情を話してみた。すると、とてもとても快く昔のボタンを分けて下さった。圧倒的な存在感、細部にまで気を使っている形、釉薬、雰囲気。やっぱりスゴイ。服が本当に生きてくる。

で、決めた。貴重な古布を使うんだもの、これからはボタンも魂のこもったものを付けよう。だから私も恥ずかしくない服を作ろうって。

上泉秀人さん、本当にありがとうございます。