昔、祖母はおひつを洗う時、残ったご飯粒にお湯を注いで、とても美味しそうに手ですくって食べ干していました。口癖は”一粒のお米だって10か月かからないと出来ないのよぉ~。捨てらんないのよぉ~”。考えたら今だって身の回りにあるものすべては、すぐに出来上がるものなんてそうそう無くて、何でも人の手や自然の力を借りてそこにあると思います。人の知恵や技術でその出来る時間が短くなったり、出来る量が多くなったりしても、同じように資源や材料を使って作られています。作り手として有限な資源を無駄なく使いきることはとても大事だと思います。資源を使い、時間や人の知恵や人の労力から生まれた布を使って服を作り、それで出来たハギレはほんのちょっとでも無駄にしないように心がけようと思います。

おひつにお湯を注いだり、一晩お水につけたり、おしゃもじでそぎ落としたり、一粒たりとも無駄にしなかった祖母は意外と楽しそうにも見えました。