初めて作った古布の服は、26年前、生まれてくる長男の上着でした。実家にあった古木綿、改めて手に取るとほわっとした感触、今の綿と違う気がする・・・良い。長女が生まれてからも作りました。おかっぱ頭に絣のもんぺ、保育園の運動会、走る姿が可愛くて、泣けました。それから母にも作りました。そもそも母が集めていた古布です、上着、ベスト、パンツ、何を作っても大喜び。いつしか母のクローゼットは私が作った服だらけになりました。16年前、一緒に骨董市へ出かけた時、ある店主さんからその服を卸して欲しいと声をかけていただいて。それをきっかけに今日まで服を作っています。突然世情が大変なことになりました。今日まで応援下さった皆様、友達、家族、有難さをしみじみ感じます。ちょっとの未来も分からない今、皆元気でいられることを心から願います。世の中はどう変わっていくのだろう?私はこれからも作ってもいいのか?捨てられる服の山をニュースで見ると考えます。ホントは何が作りたい?自問自答。答えはまだボンヤリです。でもそばに古布がある、動く体がある、とりあえず、今日も食べて作ります。古布を託してくれた両親に感謝して。