40年前、母は1型糖尿病で突然倒れ、半年入院した。退院後は1日も欠かさず1日5回のインスリン自注射をしてる。40年再入院してないのが母の自慢だ。6年前に父が逝き、そのすぐ後、母は緑内障で目が不自由となった。認知症も患ってしまった。それでもひとり暮らし続行中。

昨年末、低血糖で3度も倒れた。食事を忘れたのか、注射の2度打ちしたのか、体の変化なのか、分からない。入院は拒否。もちろん施設も断固拒否。弟夫婦と相談して、なんとか見守る体制を作る事にした。

母は毎日洗濯する。布団も干す。ラジオは終日聴く。運動を兼ねて近所のスーパーへ毎日行く。食事は自分なりに作る。自注射、目薬は欠かさない。かろうじて見える目で新聞は見出しだけ読む。日記は極太の罫線のノートで続けてる。1日1回元気コールをかけてくる。旅行に誘ってもお父さんと沢山行ったからと行かない。食事に誘っても、糖尿病だからと行かない。

特に予定も無く、目が不自由になり大好きな針仕事も出来ない。本も読めない。美味しいものを食べたり、オシャレも出来ない。生きるための最低限、同じ事の繰り返しの毎日。

母は昔から決まって”今がサイコー”と言う。何についても”いいじゃん!”と言う。後ろは向かない。愚痴も言わない。これでいいのだ、バカボンのパパ的なこの生き様。

とにかくひとりでいたい母も、日に日に体力は衰えていき、認知症も進むであろう。近くに住む弟夫婦や、ご近所の方々無しでは続けることは出来ない。いつも見守って下さる皆様、本当にありがとうございます。母の生き方に付き合って下さり、感謝の一念です。

これからどうなるか分からないけど、自分を使い果たして手を振ってイッて欲しい。